寺山修司が仕掛ける映像の迷宮。蝶のドレスを纏った女が彷徨う、記憶と幻想が溶け合うシュールな映像詩。
舞台は、時間も場所も特定できない、夢と現実が入り混じる心象風景の中。主人公は、無数の蝶の標本で作られたドレスを身にまとう謎の女。彼女は、自らが誰なのか、どこから来たのかを知らない。突如として脳裏をよぎる断片的な記憶のフラッシュバックをきっかけに、失われた自己を探すための放浪が始まる。彼女の行く手には、奇妙な人物や不可解な出来事が次々と現れ、現実と虚構の境界線を曖昧にしていく。観る者は彼女の視点を通して、記憶の不確かさと人間の存在の危うさを体感する。果たして彼女がたどり着く世界の果てにあるものとは。挑発的で官能的なイメージが乱反射する、唯一無二の芸術作品。
ネット上の声
- アートテロ、寺山修司、メイク、ファッション、映像はフィルムの粒々フィルターに覆わ
- 蝶が覆いかざす眼前の世界、肉欲と快楽に溺れた男女を覗き見する少年
- 田園に死すや書を捨てよ街へ出ようなどで知られる寺山修司の実験映画
- 2023.5.20@ユーロライブ(寺山修司映画祭2023「映画監督◉寺山修司」)
- 製作年1974年
- 製作国日本
- 時間12分
- 監督寺山修司
- 主演新高恵子