19世紀アルメニアの修道士にして高名な作曲家、コミタス(1869-1935)の生涯を緊密で官能性ある幻想的なタッチの映像で綴り、1915年トルコで虐殺された200万人のアルメニア人に捧げられた映像詩。撮影当時、ドイツに亡命中だった監督は、ヨーロッパ各地でアルメニアを思わせる自然を求めてロケーション撮影を行った。監督・脚本は「アヴェティック」のドン・アスカリアン、製作は同作のマルガリータ・ヴォスカニアン、撮影はテオ・アンゲロプロス作品で知られるヨルゴス・アルヴァニティスと「アヴェティック」のマーティン・グレッスマンの共同でそれぞれ担当。使用音楽はコミタス、ドニゼッティ、ターニュヤ、アルメニア民謡。出演はサンヴェル・オヴァッサン、オニグ・サッデティアンほか。ちなみに、映画の背景となったトルコによるアルメニア人虐殺の際、コミタスは故郷を追われ、流浪のさなか同胞の殺戮や惨殺死体などを眼のあたりにするという悲惨を極めた体験の後、精神を病み、晩年の20年間は作曲活動も行わないまま、入院先の病院で亡くなった。
ネット上の声
- 長回しに退屈してしまったタルコフスキーが、パラジャーノフの映画を撮った感じ
- アヴェテイックと同じく退廃的な映像美がこれでもかってぐらい堪能できる
- ドン・アスカリアン追悼(1949年 - 2018年10月6日)
- [アルメニアの美しき自然に捧ぐ] 100点
ヒューマンドラマ
- 製作年1988年
- 製作国ドイツ
- 時間96分
- 監督ドン・アスカリアン
- 主演サンヴェル・オヴァッサピアン