カナダの異才ガイ・マディン監督が1988年に発表した長編デビュー作。奇妙な病院を舞台に繰り広げられる2人の患者の不思議な因縁を、モノクロ・サイレントの表現主義的技法と80年代的グロテスクを織り交ぜて描く。
19世紀末、カナダの寒村にある不気味な病院。天然痘を患い入院した孤独な漁師エイナーは、同じく入院している陽気な患者グンナーとは仲の良い友人だったが、天性の魅力で看護師たちの人気を集める彼に嫉妬を感じるように。ある日、ひとりの女性を巡るそれぞれの秘密が発覚し、エイナーとグンナーは敵同士となってしまう。
マディン監督が脚本・撮影・編集も手がけ、医者役で出演。撮影直前に「恐怖・嫉妬・憎しみ・後悔・悲しみ・忘却・あこがれ・恥辱・復讐・愛」という10種類の感情を出演者に指示するのみという演出手法で撮りあげた。日本では1992年に劇場公開後、東京フィルメックスで特別上映されたのみだったが、2025年3月に4K版を劇場公開。
ネット上の声
- お互いに髭剃りで剃り合うのは怖い
- 孤独な入院患者のグロテスクな夢と現実を、ハリウッド初期を思わせるモノクロ・サイレ
- おもしろいかでいうと好みがわかれるとは思うけど 、観るたびドキドキしてしまう
- [エロスとタナトスの幻夢譚、或いはマディン的『キングダム』] 100点
ファンタジー、 ヒューマンドラマ
- 製作年1988年
- 製作国カナダ
- 時間69分
- 監督ガイ・マディン
- 主演カイル・マクローチ