85歳を越える世界の現役映画監督で最高齢でありながら、90年代に入ってからも年一本のペースで旺盛な創作活動を続けるポルトガル映画界の巨匠マノエル・デ・オリヴェイラ監督が描く群像劇。作家のプリスタ・モンテイロが、演劇の演出家でもあるオリヴェイラによる初演を期待して書いた戯曲『A Caixa』を、むしろ映画の素材だと判断した監督が脚色して映画化。81年の『フランシスカ』(テレビ放映、特別上映のみ)からオリヴェイラ作品に携わる製作のパウロ・ブランコ以下、撮影のマリオ・バロッソ、美術・衣装のイザベル・ブランコ、編集のヴァレリー・ロワズルーら、「アブラハム渓谷」に続いて参加したスタッフを中心に、録音でブランコ製作の「白い町で」や「パリ、テキサス」以後ほとんどのヴィム・ヴェンダース作品を手掛ける名手ジャン=ポール・ミュジェルが参加。出演は85年の『繻子の靴』(日本未公開)以来、オリヴェイラ作品の顔となっているルイス=ミゲル・シントラをはじめ、ベアトリス・バダルダ、ソフィア・アルヴェスら前作「アブラハム渓谷」でおなじみの顔ぶれぞろい。
ネット上の声
- 階段のある街の中には全てがある
- 底辺然とした人々が多かったりしょうもない展開が続いたりするのに、フェリーニの懐古
- 終始、階段で繰り広げられるけども露骨な高低差を使った演出を避けて、別に階段でなく
- オリヴェイラ風のエッジの効いた不条理劇なのは確かであるが、その殺伐さから逃れるよ
ヒューマンドラマ
- 製作年1994年
- 製作国ポルトガル,フランス
- 時間96分
- 監督マノエル・ド・オリヴェイラ
- 主演ルイス・ミゲル・シントラ