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「萌の朱雀」でカンヌ映画祭カメラ・ドール(新人監督賞)を受賞した河瀬(現・仙頭)直美が、生後まもなく生き別れて記憶にすら刻まれていない父親を探し求めながら、自らの出自を問う過程を記録したプライベート・ドキュメンタリー。25年前の肖像写真や戸籍の転入転出記録を頼りに、父親の足跡を探し続けるキャメラは、アルバムに写る自分の過去と現在の位置を確かめながら、父親の存在に近づこうとしていく。父の所在が明らかになるにつれ、出会うことへの畏れとそれでもフィルムを回し続けたいと願う切実な思いが絡み合い、キャメラはさらに自身と向かい合う。自らを全てさらけ出すことで、河瀬の作品の最初のエポックメイキングとなった作品。イメージフォーラムフェスティバル93奨励賞、95年度山形国際ドキュメンタリー映画祭国際映画批評家連盟特別賞受賞。92年度製作作品。1995年「「すべて女の子カントク」プロジェクト」の1本として公開されているが、「萌の朱雀」の公開にあわせ、94年製作の「かたつもり」とともに初めて正式公開された。8ミリからのブローアップ。
ネット上の声
- 今年の東京オリンピックの記録映画を撮ることになっている河瀬直美監督のセルフドキュ
- 離婚した両親と生き別れ、祖父母に育てられた河瀬のセルフドキュメンタリーであり、デ
- 【纏めて『萌の朱雀』欄で】表現と自己出自への執着、どっちが上回ってるのか、作家と
- 初ドキュメンタリー作品なのか、手探りでやっている感じがよかった
ドキュメンタリー
- 製作年1995年
- 製作国日本
- 時間40分
- 監督河瀬直美
- 主演河瀬直美
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家を出ていった父母に代わって自分を育ててくれた祖母との日常を捉えた私的ドキュメンタリー。監督は「につつまれて」の河瀬直美。祖母で養母の河瀬宇乃にカメラを向け、裏の空き地に小さな家庭菜園を作ってえんどう豆を育てる祖母の姿や、直美の小さな頃の想い出話などの温かく平穏な祖母との日常をつづっていく。カンヌ映画祭カメラドール(新人監督賞)を受賞した「萌の朱雀」の公開にあわせて劇場公開された。94年度製作作品。95年の山形国際ドキュメンタリー映画祭で奨励賞を受賞している。8ミリを16ミリにブローアップ。
ネット上の声
- 旧年出国寸前に爺婆の家に帰って、久しぶりに帰った意外にお婆さんが植えたキュウリや
- どんなに手を伸ばしても触れられないものに触れようとする運動こそが映画
- 劇的なものへの関心が薄れてるせいか、こういう個人映画が沁みる
- 機械装置(カメラ)はいかにして人間の指先の優しさを真似するのか
ドキュメンタリー
- 製作年1997年
- 製作国日本
- 時間40分
- 監督河瀬直美
- 主演河瀬宇乃
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「家族」や「生と死」をテーマに作品を撮り続けてきた河瀬直美監督が、自らの出産経験を通して「生」を見つめなおしたドキュメンタリー。2003年に第1子を妊娠した河瀬監督は、自身の妊娠から出産までを映画にしようと撮影を開始。新しい命の誕生を描く一方で、90歳を越えた育ての母にもスポットを当て、引き継がれていく命のつながりを浮かびあがらせていく。ロカルノ国際映画祭審査員特別賞を受賞。
ドキュメンタリー
- 製作年2006年
- 製作国日本,フランス
- 時間43分
- 監督河瀬直美
- 主演河瀬宇乃