戦後ドイツ、社会復帰に挫折した元警官の男。果物売りに転身するも、家族と社会からの疎外感が彼を絶望へと追いやる。
1950年代、経済復興期の西ドイツ・ミュンヘン。元警官で今は果物の行商をしているハンス。愛する妻や家族のため懸命に働くが、彼の過去や学歴のなさを家族は蔑み、社会は冷たい視線を送る。誰からも認められない孤独と、埋められない心の溝。ささやかな成功を手に入れても、彼の魂は満たされない。やがて酒に溺れ、自らを破滅の道へと追い込んでいくハンス。彼のささやかな幸福への渇望が、悲劇的な結末を予感させる。
ネット上の声
- ‘出来損ない’は誰なのか?
- ダグラスサークの映画に影響を受けたファスビンダーが、自らの叔父をモデルとした作品
- ハリウッドメロドラマの巨匠ダグラスサークの強い影響下で撮られたというファスビンダ
- エグいほど急発進なズーム演出、荒ぶるカメラの躍動感、全てが上手くいかず救いがない
ヒューマンドラマ
- 製作年1971年
- 製作国ドイツ
- 時間87分
- 監督ライナー・ヴェルナー・ファスビンダー
- 主演ハンス・ヒルシミュラー