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フランスの巨匠ロベール・ブレッソンが、1969年製作の「やさしい女」に続き文豪ドストエフスキーの短編を翻案して描いたドラマ。
孤独な画家の青年ジャックは、理想の女性との出会いを妄想しては、その思いをテープレコーダーに吹き込んでいる。ある夜、ジャックはセーヌ河にかかる橋、ポン・ヌフで思いつめた表情の美しい女性マルトと出会う。マルトは恋した相手が1年前にアメリカ留学に発ち、「結婚できる身分になったら1年後に会おう」と言われていたが、1年が経ったその夜に相手は現れなかったのだという。マルトに熱い気持ちを抱いたジャックは、彼女が約束の相手に会えるように尽くすが、相手は現れない。そしてやがて、マルトの心もジャックに惹かれ始める。
舞台は原作の19世紀ペテルブルクから、撮影当時のパリに移されている。日本では1978年に劇場初公開され、2012年に35ミリニュープリント版が公開された。2025年、4Kレストア版でリバイバル公開。
ネット上の声
- ブレッソン監督の中でも余り言及されることのない、本作
- ブレッソンの情緒そして性欲への冷徹な視線
- 何てことない物語だけどおもしろかった
- 「古い」は悪いことではないけれど…
ヒューマンドラマ
- 製作年1971年
- 製作国フランス
- 時間83分
- 監督ロベール・ブレッソン
- 主演ギョーム・デ・フォレ
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「不完全なふたり」の諏訪敦彦監督が8年ぶりにメガホンをとり、「大人は判ってくれない」などの名優ジャン=ピエール・レオを主演に迎えて撮りあげたヒューマンドラマ。南フランスのラ・シオタ。かつて愛した人を訪ねるためやって来た老齢の俳優ジャンは、ある古い屋敷にたどり着く。誰も住んでいないその屋敷では近所の子どもたちが映画撮影ごっこをしており、ジャンも加わることに。撮影を進めるうちに、ジャンと元妻ジュリエットとの関係が徐々に明らかになり……。共演にはワークショップを通じて選ばれた子どもたちを起用。
ネット上の声
- 死を無気力に扱った無物語。映像美には酔う
- 老雄ジャンを撮りたかっただけ
- ~ライオンは寝ている~♪
- ジャン=ピエール・レオ
ヒューマンドラマ
- 製作年2017年
- 製作国フランス,日本
- 時間103分
- 監督諏訪敦彦
- 主演ジャン=ピエール・レオ
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ニュー・ジャーマン・シネマの旗手として世界的注目を集めていたドイツのビム・ベンダース監督が、ハリウッドでの映画制作における自身の苦い経験を反映させながら撮り上げたドラマ。
ポルトガルの海岸で、SF映画「ザ・サヴァイバー」のリメイク作品を撮影している映画制作チーム。しかし途中で資金が底をついた上にフィルムも足りなくなり、撮影を続けられなくなってしまう。資金繰りのためアメリカへ向かったプロデューサーのゴードンとも連絡が取れなくなり、業を煮やした監督のフリッツは自らロサンゼルスへと足を運ぶが……。
後に「007 美しき獲物たち」などで個性派俳優として活躍するパトリック・ボーショーが映画監督フリッツを演じ、サミュエル・フラー、ロジャー・コーマンといった映画人も出演。1982年・第39回ベネチア国際映画祭で金獅子賞を受賞した。
ネット上の声
- ヴェンダース版『8 1/2』?
- ポルトガルの海岸でSF映画を撮っていたクルーたちは、資金難による撮影の休止により
- だから12ヶ月のシネマリレーは名作を上映していくんじゃないの?
- メタ映画+ロードムービー&ノワール
ヒューマンドラマ
- 製作年1982年
- 製作国ドイツ
- 時間127分
- 監督ヴィム・ヴェンダース
- 主演イザベル・ヴェンガルテン
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ヴィム・ヴェンダース監督が1982年3月にニューヨークで撮影した短編ドキュメンタリー。映画「ハメット」製作の日々をとらえた。
ヴェンダース監督がフランスのテレビ局から「ニューヨークからの手紙」という番組を提案されたことを受けて手がける予定だった「日記映画」の試作として撮られた作品。フランシス・フォード・コッポラ製作総指揮の下でヴェンダース監督初のアメリカ映画として手がけた「ハメット」の製作過程を描き、同作製作中に遭遇したトラブルや、ヨーロッパとハリウッドの映画作りの違いなどについて語られる。
日本では「70/80年代 フランシス・F・コッポラ 特集上映 終わりなき再編集」(2024年11月29日~/新宿武蔵野館、ヒューマントラストシネマ有楽町ほか)で上映される「ハメット」と併映で劇場公開。
ネット上の声
- 70点ぐらい。前衛的な感じで良かった。
- 苦悩と言い訳と境目
ドキュメンタリー
- 製作年1982年
- 製作国ドイツ
- 時間18分
- 監督ヴィム・ヴェンダース
- 主演ヴィム・ヴェンダース