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たった一夜の恋が、平凡な女性をゴシップ記事の渦へ。マスメディアの暴力が、一人の人間の名誉を奪うまで。
1970年代、西ドイツ。真面目で慎ましい家政婦、カタリーナ・ブルーム。彼女はあるパーティで出会った男と恋に落ち、一夜を共にする。しかし、その男は警察に追われる指名手配犯だった。その日から、彼女の平穏な日常は一変。警察の執拗な尋問と、タブロイド紙の扇情的な報道。彼女のプライバシーは暴かれ、無実の人間関係までスキャンダラスに書き立てられる。メディアによって「テロリストの愛人」というレッテルを貼られた彼女が、失われた名誉を取り戻すために下した、衝撃の決断。
ネット上の声
- 「報道の自由」の下、ああしたいだとかこうしたいという側の勝手な架空無稽のレッテル
- 過激派の青年と知り合い、一夜を共にするカタリーナは、警察から隠匿の罪で取り調べを
- 『リチャード・ジュエル』が今年公開されましたが、マスコミ、ジャーナリストのダーク
- 1970年代、一人の独身女性が過剰の報道に捲きこまれ不運な人生をたどることになる
ヒューマンドラマ
- 製作年1975年
- 製作国ドイツ
- 時間106分
- 監督フォルカー・シュレンドルフ
- 主演アンゲラ・ヴィンクラー
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ビデオカメラが捉えた、日常に潜む狂気。感情を失った少年が犯した、冷徹な殺人記録。
舞台は現代オーストリアの裕福な家庭。ビデオ映像に没頭する14歳の少年ベニー。彼の世界は、現実とモニターの中の映像の境界が曖昧になっていた。ある日、家に招いた少女を、彼は衝動的に、そして何の感情も見せずに殺害。その一部始終をビデオカメラで撮影する。帰宅した両親にその映像を見せるベニー。両親が下した決断は、息子の罪を隠蔽すること。メディアがもたらす暴力への無感覚さを描く、衝撃の問題作。
ネット上の声
- なるほど、レビュー見ると、皆さんベニー少年はサイコパスだとか、理由もなく人を殺し
- 『ファニーゲーム』よりサイコパスの本質を突いてきます
- 良作だけど「最近の若者は」的な陳腐さも
- どうなるのかな、と思ってやってみる。
ヒューマンドラマ
- 製作年1992年
- 製作国オーストリア
- 時間105分
- 監督ミヒャエル・ハネケ
- 主演アルノ・フリッシュ
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3歳で成長を止めた少年オスカル。ブリキの太鼓を叩き、狂乱の時代を見つめる衝撃の物語。
舞台は1920年代の自由都市ダンツィヒ。主人公は、大人の世界の醜さに絶望し、3歳の誕生日に自らの成長を止めた少年オスカル。その日から彼の体は大きくならず、常にブリキの太鼓を抱え、気に入らないことがあると甲高い奇声でガラスを粉砕。ナチスが台頭し、やがて戦争へと突き進む狂乱の時代。オスカルは、子供のままの姿で、家族や街の人々の愚かしくも滑稽な営みを冷徹に見つめ続ける。彼の特異な存在が、歴史の渦の中で異様な光を放つ、一大叙事詩。
ネット上の声
- 時の権力に翻弄され、日和見的に思想や信条を日々変化させる狡猾で不甲斐ない大人たちをシニカル描いているのが秀逸。
- 仮に人種・民族や国民の融和への想いもあったのだとしたら、クストリッツア監督の「アンダーグラウンド」の方が…
- エロスと生命力を突き詰めたドイツ的表現のグロテスクの魅力
- ◼️ブリキの太鼓|「成長しない」ことを選んだ少年の心◼️
ヒューマンドラマ
- 製作年1979年
- 製作国ドイツ,フランス
- 時間142分
- 監督フォルカー・シュレンドルフ
- 主演ダーヴィット・ベネント
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1977年秋のドイツ赤軍派による連続的テロ事件、およびドイツの精神的風土について九人の監督がそれぞれ九つのエピソードにまとめ上げたオムニバス映画。監督・脚本は「ベロニカ・フォスのあこがれ」のライナー・ヴェルナー・ファスビンダー、アルフ・ブルステリン、アレクサンダー・クルーゲ、マクシミリアン・マインカ、エドガー・ライツ、カーチャ・ルーペ、ハンス・ぺーター・クロース、「ブリキの太鼓」のフォルカー・シュレンドルフ、ベルンハルト・ジンケル、共同脚本はハインリヒ・ベル、ぺーター・シュタインバッハ、撮影はミハエル・バルハウス、ユルゲン・ユルゲス、ボードー・ケスラー、ディートリッヒ・ローマン、コラン・ムニエ、ヨルク・シュミット・ライトヴァイン、編集はハイディ・ゲネー、ムレ・ゲッツ・ディコップ、ターニャ・シュミットバウアー、クリスチーナ・ヴァルンク、ベアーテ・マインカ・イェリングハウス、効果はローラント・ヘンシュケ、マルティン・ミューラー、ギュンター、シュターデルマン、製作進行はハインツ・バーデヴィッツ、カール・ヘルマー、ヘルベルト・ケルツが担当。出演はライナー・ヴェルナー・ファスビンダー、リーゼロッテ・エーダー、アルミン・マイアー、ハンネローレ・ホーガー、ホルスト・マーラー、ヘルムート・グリーム、ヴォルフ・ビーアマンなど。
ネット上の声
- テロへの恐怖が作る、より高次の加害者
- どうしても第三帝国への言及を避けられない過去との対峙を、土を掘り返すことで表象す
- 当時すでに巨匠だったファスビンダー監督が全裸で登場し、自宅の部屋で自分の性器を触
- 去年の駒場祭時は「俺はクルーゲを見に来たのに、聖ファスビンダーの映画でよく見る吐
ヒューマンドラマ
- 製作年1978年
- 製作国ドイツ
- 時間134分
- 監督ライナー・ヴェルナー・ファスビンダー
- 主演ライナー・ヴェルナー・ファスビンダー
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川端康成の傑作短編小説を、俳優としても活躍するドイツ人監督バディム・グロウナが、自ら主演を務めて映画化した官能ドラマ。15年前に事故で妻子を亡くした事業家エドモンドは、友人の勧めでベルリンの街角に建つ1軒の館を訪れた。信用のおける老人だけが顧客として入ることを許されるその館では、死んだように眠っている美女たちと一夜を共にすることができる。孤独なエドモンドはすっかりその館の虜になり……。
ネット上の声
- 空を飛んで行く鳥(カラス)が、死を予告。
- 経験豊富な娘、情熱的な娘、見習いの娘
- 私も一緒に眠ってしまいたかった・・・
- 美女と孤独な呟きと置き去りの謎たち
ヒューマンドラマ
- 製作年2005年
- 製作国ドイツ
- 時間103分
- 監督ヴァディム・グロウナ
- 主演ヴァディム・グロウナ